不動産を売却する際、多くの売主は信頼できる不動産会社と契約を結んで売却活動を進めます。しかし、その媒介契約には「専任媒介」と「一般媒介」といった種類があり、それぞれ異なる特徴を持っています。売却をスムーズに進めるためには、これらの違いを理解し、自分に合った契約形態を選ぶことが重要です。

専任媒介契約とは？

専任媒介契約は、売主が特定の不動産会社1社だけに売却活動を依頼する契約です。売主は他の不動産会社に同時に依頼することができませんが、自分で買主を見つけた場合には直接契約することが可能です。この形態では、不動産会社が売却活動を独占するため、より積極的な売却戦略が期待されます。

また、専任媒介には報告義務があるため、売却活動の進捗や現状を定期的に知ることができ、売主にとって安心感があるのがメリットです。売却活動をしっかり把握したい場合や、不動産会社にじっくりと売却活動をお願いしたい場合に向いています。

一般媒介契約とは？

一般媒介契約は、売主が複数の不動産会社に同時に売却依頼を出すことができる契約形態です。この契約では、売主も積極的に買主を探すことができ、より広いネットワークを使って売却チャンスを増やすことが期待されます。また、不動産会社への報告義務はありません。

一般媒介のメリットは、複数の不動産会社の力を借りられるため、競争が生まれ、より早く買主が見つかる可能性が高まる点です。しかし、報告義務がないため、売却活動の進捗がわかりにくく、情報の把握が難しいデメリットもあります。

専任媒介と一般媒介の選び方

専任媒介

1社のみに依頼。報告義務があるため、進捗状況を把握しやすい じっくりと信頼できる不動産会社に任せたい、進捗を知りたい人におすすめ。

一般媒介

複数社に依頼が可能。競争により早期売却が期待できるが進捗管理が難。より多くの不動産会社と広範囲に売却を進めたい、自由度を求める人におすすめ。

どちらを選ぶべきか？選択のポイント

1.サポートの手厚さを重視するなら

専任媒介は1社に依頼するため、担当者と密に連携を取りやすく、進捗も定期的に報告されるため、安心して任せることができます。特に、時間をかけて高い価格での売却を目指す場合に向いています。

2.早期売却や幅広いアプローチを望むなら

一般媒介は複数の会社のネットワークを活用でき、早期に買主を見つけるチャンスが広がります。ただし、進捗管理が売主側の責任になるため、自分でもある程度情報を把握する姿勢が求められます。

まとめ

専任媒介と一般媒介は、それぞれ異なるメリットとデメリットを持っています。不動産売却を成功させるためには、自分の希望や状況に合った契約形態を選び、信頼できる不動産会社と協力して売却活動を進めることが重要です。